遺言にご家族へのメッセージを書きたい ~ 付言事項 ~
遺言書は自身の財産の処遇をあらかじめ決めて、その決めたことに法的な効力を持たせるために作成するのが普通と思います。一方で、様々な遺言書を拝見すると遺言者の方の筆が一番熱を帯びる箇所が、タイトルにもある「付言事項」です。
付言事項とは、法律に定められていない事項を遺言書に記載することを指します。付言事項については原則として法的な効力(強制力のある手段)が生じないという特徴があり、しばしば、ご家族へのメッセージを記載する箇所としての意義をもちます。
読み手を泣かせる感動的な付言事項というのもありまして、公証役場での遺言書読み合わせの際に公証人の先生が涙をぽろぽろ流しながら付言事項を読み上げることもあるそうです。
一方で、恨みつらみが並んでいる付言事項もありますし、極端な例では、公序良俗に違反するような内容を記載した場合、遺言の有効性自体が否定されかねない可能性があります。
1.付言事項によく記載される内容
基本的には自由に書いていただいて構わない箇所ですが、よく書かれるのは以下のようなことです。
- ・葬儀や供養に関する希望
- 葬式の方法や死後の献体に関する事項を記載できます。ただし、先にも述べたとおり法的効力は生じないとされています。法的な効力を持たせたい場合は、死後事務委任契約を家族や知人、法律職の方と締結しておくべきです。
- ・家族へのメッセージや倫理的指針
- 家族・兄弟姉妹間での融和(仲良くすること)の依頼、感謝の気持ち、家業の発展や家族の幸福の祈念、家訓などの遵守方法などが挙げられます。もちろん法的な効力はありませんが、ある意味法よりも強い力を持つこともあるかなと思います。
- ・遺産分割の理由や動機
- なぜそのような分け方にしたのかという理由や、遺言を作成するに至った動機を説明することがあります。もし書くのであれば、書き方が重要になります。例えば、「誰それは親戚の葬式にも顔を見せないからこのような配分にした」でしたりとか。お気持ちはとても理解できます。しかし、書き方を気を付けないとご遺族間で角が立つ部分かなと思います。
2.付言事項の役割
・遺言者の意思の尊重
法的な強制力はないものの、相続人が遺言者の意思を尊重することで、結果的に本人の希望が実現されることがあります。天国からなのかどこからなのか分かりませんが、自身の意思がどのようにご家族に影響を与えていくのか眺めるのも、たまには退屈しのぎになるかもしれません。
・相続人の心情への配慮と紛争防止
遺言者の感謝の気持ちや、特定の相続人に多く分ける理由などを丁寧に説明することは、遺留分侵害額請求等のトラブルを未然に防いだり、相続人の心情的な納得感を得るために重要な役割を果たします。
3.まとめ
法的拘束力こそ持たない付言事項ですが、適切な使い方をすれば、遺言者の真意を伝えて残された家族が円満に相続手続を進めるための心理的に大きな支えとなりえるのではと思います。
私としては、それこそが付言事項が持つ一番大きな力だと思っています。その力は、ときに遺言で決められた法的な約束事や受け取った遺産より力強く、残された方々に生きるエネルギーを与えうるのでは、と思います。
遺言書作成、生前贈与、家族信託、成年後見、死後事務委任契約などの生前対策・終活から、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金・株式・保険等の相続手続き、相続放棄などの相続発生後の手続きまで。
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