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遺言書が複数見つかった場合はどうなるのか

ご家族がお亡くなりになって遺品整理をしていく中で、

「遺言書が二通以上見つかった」
「内容の違う遺言書が複数ある」

というケースは、決して珍しくありません。

遺言書が複数存在する場合、どれが有効なのか、どの内容に従えばよいのかが問題になります。

ここでは、遺言書が複数見つかった場合の基本的な考え方と、注意すべきポイントを整理します。

1.遺言書が複数あっても問題はないのか

遺言書は、一人につき一通しか作成できないものではありません。

生前に何度でも書き直すことができ、結果として複数の遺言書が存在すること自体は珍しいことではありません。

そうすると問題となるのは、どの遺言書が法的に有効なのか、また、複数の遺言書の内容がどのように扱われるのかという点です。

2.基本は「日付の新しい遺言書」が優先される

遺言書が複数ある場合、原則として日付の新しい遺言書が優先されます。

後に作成された遺言書は、それ以前の遺言書を撤回する意思があるものと考えられるためです。

そのため、遺言書の日付は非常に重要な意味を持ちます。

日付が不明確であったり、記載が欠けていたりする遺言書は、優先関係を判断できず、無効とされる可能性があります。(例えば「令和8年3月吉日」といった日付が書かれていた場合は遺言が無効になる可能性があります)

3.内容が一部だけ異なる場合の扱い

複数の遺言書が見つかった場合でも、すべての内容が完全に矛盾しているとは限りません。

たとえば、1通目の遺言書では不動産について定め、2通目の遺言書では預貯金について定めている。

といったケースもあります。

このような場合、つまり、1通目と2通目の遺言の内容が抵触していない場合、両方とも有効な遺言になりえます。

4.方式の異なる遺言書が複数ある場合

自筆証書遺言と公正証書遺言が見つかるなど、異なる方式の遺言書が複数見つかることもあります。

この場合でも、方式の違いによって自動的に優劣が決まるわけではありません。

一般的には公正証書遺言の方が自筆証書遺言よりも厳格な作成過程を経ますが、それは遺言の効力とは関係ありません。あくまで日付の新旧や、内容の関係を踏まえて判断されます。

ただし、形式不備により一方の遺言書が無効と判断される場合には、有効な遺言書のみが相続に用いられることになります。

5.遺言書が複数ある場合の注意点

遺言書が複数見つかった場合には、自己判断で「新しそうなものだけを使う」といった対応は絶対に避けるべきです。相続人の争いに発展しかねません。

したがって、すべての遺言書を確認し、日付、方式、内容、有効性を整理したうえで、相続手続きを進める必要があります。

まとめ

遺言書が複数見つかった場合は、原則として日付の新しい遺言書が優先されます。

ただし、内容が一部だけ変更されている場合や、方式や有効性に問題がある場合には、慎重な検討が必要となります。

つまり、遺言書が複数存在すること自体が問題なのではなく、それぞれの位置づけを正しく整理できるかどうかが重要です。

相続を円滑(争いを起こさずに)に進めるためには、遺言書の数や内容を早い段階で把握し、整理することが大切です。

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著者 司法書士 早瀬 和海
日吉司法書士事務所
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