相続した不動産はすぐ売れない?相続登記前に売買契約してしまうリスク
相続した不動産について、「すぐに売却できる」と思われている方は少なくありません。
しかし実際には、相続登記が完了していない状態では、原則として売却手続きを進めることはできません。
ここでは、相続不動産の売却において見落とされがちなポイントと、実務上よくあるトラブルについて解説します。
1.相続不動産は登記を終えないと売却できない
相続した不動産を売却するためには、まず「相続登記」を行い、名義を相続人に変更する必要があります。
これは法律上の大前提であり、買主に所有権を移転するためには、売主側の名義が整っていなければならないためです。
つまり、相続登記が未了の状態では、最終的な決済・引渡しまで進めることができません。
2.相続登記には想像以上に時間がかかる
相続登記は、単純な書類提出だけで終わる手続きではありません。
実務では、次のような工程を踏む必要があります。
・戸籍などの必要書類の収集:数週間〜数か月
・遺産分割協議:相続人の関係性や人数により大きく変動
・登記申請から完了:通常1か月程度
これらを踏まえると、全体として半年近くかかるケースも珍しくありません。
3.よくある失敗:登記前に売買契約をしてしまう
実務上、特に注意したいのが、相続登記が完了する前に売買契約を締結してしまうケースです。
たとえば、相続人の一人が「決済日までには間に合うだろう」という見込みで契約を進めてしまうことがあります。
しかし、実際には戸籍収集や協議が長引き、相続登記が間に合わないことも十分にあり得ます。
4.決済に間に合わないと契約不履行のリスクも
相続登記が完了していない場合、通常は決済を行うことができません。
その結果、
・引渡しができない
・契約不履行と判断される
・違約金の支払いが発生する
といったリスクにつながる可能性があります。
本来であれば、売買契約書に
「相続登記が完了しない場合は解除できる」
といった特約を設けることが多いですが、こうした条項が入っていないケースも見受けられます。
5.売却を考えるなら「順番」が重要
売買契約自体は先に締結できる場合もありますが、相続登記が終わっていなければ、最終的な決済には進めません。
そのため、相続不動産の売却を検討している場合は、
1.相続人の確定
2.遺産分割協議
3.相続登記の完了
4.売却活動・契約
という流れを意識することが重要です。
焦って契約を進めるよりも、事前に手続きを整えておくほうが、結果的に安全でスムーズに進みます。
6.まとめ:相続は「順序」を間違えないことが大切
相続手続きでは、「何をするか」だけでなく、「どの順番で進めるか」が結果を大きく左右します。
特に不動産の売却を伴う場合には、相続登記の完了が前提となることをしっかり理解しておく必要があります。
トラブルを防ぐためにも、早い段階から全体の流れを把握し、計画的に進めていくことが重要です。
遺言書作成、生前贈与、家族信託、成年後見、死後事務委任契約などの生前対策・終活から、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金・株式・保険等の相続手続き、相続放棄などの相続発生後の手続きまで。
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