危篤状態での緊急的な遺言方法 ~ 危急時遺言 ~
危急時遺言とは、遺言者が死亡の危急に迫っているなど、普通方式の遺言(自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言)を利用することが困難な緊急時に認められる特別な方式の遺言です。
「死亡危急時遺言(一般危急時遺言)」と「難船時遺言(船舶遭難者遺言)」の2種類が存在しますが、本稿は前者についての内容になります。
例えば、横浜市港北区や東京都目黒区、品川区等で緊急に遺言を残す必要がある市民の方、福祉・医療従事者の方、営業時間外であってもお電話いただけましたら証人としてご対応可能な場合がございます。
時間は気にせずにお問い合わせください。病院や施設等に直接お伺いすることも可能です。
1.死亡時危急遺言の要件
死亡危急時遺言は、疾病その他の事由により死亡の危急に迫った者が行う方式であり、以下の5つの要件を充足する必要があります。
- ①証人の立会い
- 3人以上の証人が立ち会うこと。
- ②趣旨の口授
- 遺言者が証人の1人に対し、遺言の趣旨を口頭で伝えること。
- ③筆記
- 口授を受けた証人が、その内容を筆記すること。
- ④読み聞かせ・閲覧
- 筆記した内容を遺言者および他の証人に読み聞かせ、または閲覧させること。
- ⑤承認および署名・押印
- 各証人が筆記の正確なことを承認した後、証人全員がこれに署名・押印すること。
また、遺言者に身体的障害がある場合の特則として、口がきけない者は通訳人の通訳による申述で口授に代えることができ、耳が聞こえない者は通訳人の通訳により読み聞かせに代えることができます。
2.判例に基づく実際の運用
判例によれば、死亡危急時遺言の要件については以下の運用がなされています。
- ・日付の不要性
- 日付の記載は有効要件ではなく、不正確であっても無効とはならない(最判昭47.3.17)。
- ・署名、押印の場所
- 証人の署名・押印は読み聞かせと前後しても、また遺言者の面前でなされなくても効力は妨げられない(最判昭47.3.17)。
- ・口授の程度
- 遺言者自身が積極的に述べる必要はなく、他者が作成した草案の読み聞かせに対し、項目ごとに「はい」と答えたり、最後に「よろしくお願いします」と返答したりする程度でも認められた例がある(最判平11.9.14)。
3.効力を生じさせるための確認手続き
危急時遺言が効力を生じるためには、家庭裁判所に対し、当該遺言が遺言者の真意から出たものであるとの確認を求める請求を行い、審判を得る必要があります。
請求の期限と確認される内容は以下のようなものです。
- ・申立て期限
- 死亡危急時遺言の確認手続きは「遺言の日(翌日起算)から20日以内」に行わなければいけません。もし期限を過ぎてしまうと遺言は効力を失います。
- ・確認の内容
- 家庭裁判所は、遺言作成時の状況や遺言者の病状、証人との関係などを調査し、遺言が本人の真意に基づいているかを確認します。この確認は、一応遺言者の真意に適うと判断される程度で足りるとされています(東京高決平9.11.27)。
4.死亡危急時遺言の失効に関する特則
死亡危急時遺言をした者が、普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から6か月間生存するときは、その遺言は効力を失います。
5.死亡危急時遺言の証人を司法書士に依頼するメリット
証人が司法書士等の法律職である場合に家庭裁判所の確認作業が簡略化される、あるいは「簡単になる」といったことはないようです。家庭裁判所が行う「確認」の手続は、遺言が遺言者の真意から出たものであるか否かを判定するものであり、証人の職業に関わらず、裁判所は職権により詳細な調査を行います。
もっとも、不正リスクの考慮という観点においては、司法書士を証人とすることにメリットがあると考えます。
筆跡や押印が残らない危急時遺言は、利害関係人が立ち会わない場合などに「不正の温床となるリスク」があると説示する裁判例があります(東京高判平30.7.18)。
つまり、法律職が証人となることは、このような不正リスクの判断において考慮材料となり得ます。
また、危急時遺言の成立要件を把握している司法書士が証人になることで、作成した危急時遺言が無効と判断されるリスクを回避できるというのもメリットとして挙げられます。
遺言書作成、生前贈与、家族信託、成年後見、死後事務委任契約などの生前対策・終活から、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金・株式・保険等の相続手続き、相続放棄などの相続発生後の手続きまで。
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