高齢になってからの生前贈与のリスク
生前贈与は、相続対策として知られた方法の一つです。
特に高齢になってから、
「元気なうちに子どもへ財産を渡しておきたい」
「相続でもめないようにしておきたい」
と考え、生前贈与を検討する方も少なくありません。
しかし高齢になってからの生前贈与が、思わぬリスクやトラブルにつながるケースも見られます。
ここでは、高齢期の生前贈与で注意すべき点を整理します。
1.判断能力を巡る問題
高齢になってからの生前贈与で、最も問題になりやすいのが判断能力です。
贈与は契約であるため、贈与を行う時点で、本人に十分な判断能力があることが前提となります。
認知症の診断を受けていたり、判断能力が低下していたと評価される状況では、贈与の有効性が後から争われる可能性があります。
相続開始後に
「本当に本人の意思だったのか」
という点が問題となり、生前贈与自体が否定されるケースもあります。
2.介護費用や生活資金が不足するリスク
高齢期は、将来の医療費や介護費用がどの程度必要になるか、正確に予測することが難しい時期でもあります。
生前贈与によって多額の財産を手放してしまうと、その後の生活資金が不足するおそれがあります。
結果として、贈与を受けた家族に援助を求めなければならなくなったり、想定していなかった負担を家族にかけてしまうこともあります。
3.特別受益や遺留分を巡るトラブル
高齢になってからの生前贈与は、相続が間近に迫っていると見られやすく、相続との関係で問題になりやすい特徴があります。
生前贈与の内容によっては、特別受益として遺産分割で調整の対象となったり、遺留分侵害として請求を受けたりすることがあります。
「生前に渡したから相続とは別」と考えていても、相続の場面ではそういった考えとは別の評価がされることがあります。
4.贈与の目的が誤解されやすい
高齢期の生前贈与では、なぜその時期に、なぜその人に贈与したのか、という点が誤解されやすくなります。
介護をしてくれている子への感謝
生活支援のつもり
といった事情があったとしても、他の相続人から見ると、不公平に映ることがあります。
贈与の背景が十分にご家族や相続人にみなさまに共有されていないと、相続人同士の感情的な対立につながりやすくなります。
5.取り消しや修正が難しい点
一度成立した生前贈与は、原則として取り消すことができません。
高齢になってから、
「やはり状況が変わった」
「考えが変わった」
と思っても、簡単に元に戻すことはできません。
判断能力が低下してからでは、新たな対策を講じることも難しくなります。
まとめ
高齢になってからの生前贈与は、相続対策としての側面がある一方で、判断能力、生活資金、相続人間の公平性など、多くのリスクを伴います。
生前贈与を行う際には、「今だけ」を見るのではなく、将来の生活や相続まで含めて考えることが重要です。
高齢期の財産の扱いは、生前贈与だけでなく、他の制度や方法(遺言、信託等)も含めて検討することで、より安定した対策につながります。
遺言書作成、生前贈与、家族信託、成年後見、死後事務委任契約などの生前対策・終活から、不動産の名義変更(相続登記)、預貯金・株式・保険等の相続手続き、相続放棄などの相続発生後の手続きまで。
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